修正液と比較して明らかに良い所は、広い部分も早くきれいに隠蔽できること、直後に再筆記できることの2点です。
   さらにコピーでも影が写らないこと、表面が平滑で、紙との段差も少ないので、再筆記の際に、紙のように自然に書けることも挙げられます。
   テープの構造は、次の3つの層、粘着層・修正膜・ベーステープでできています。
1. 粘着層は,修正膜を紙にくっつける働きをします。厚みは約0.001mm(1μm)で、セロハンテープに使うような粘着剤です。
2. 修正膜は、修正する文字や線を紙に近い色で隠し(隠蔽性)、インキが染み込みやすいようにして上から文字や線が書けるようになっています(再筆記性)。この原料は修正液に近いもので、白色顔料と樹脂(白色顔料を固める)と活性剤(インキを染み込みやすくする)でできており、厚さ約0.025mmです。
3. ベーステープは、強く・伸びにくいグラシン紙をシリコンでコーティングしたものを使う場合と、薄いプラスチックフィルム(PETフィルム)を使う場合があります。厚さは 約0.012〜0.040mmです。
   テープ面を顕微鏡で見ると、小さな穴が無数に見えます。隠蔽を受け持つ酸化チタンは金属酸化物ですから、そのままではインキを吸ってくれません。修正液と同じ様に、ベースフィルムに修正膜を塗って乾かす時に、樹脂・活性剤・溶剤の作用で、微細な穴のある構造に仕上がるようにしています。
   修正個所は、紙を通して入った光が修正膜に反射して、修正してない部分より白く見えます。文字の部分は光が吸収され黒くなりますが、修正してない部分より強調されてしまいます。
   先が平らで尖ったヘッド部分を少し立てるようにして紙に当て、そのまま上から押さえながら横に引くことで、修正膜が連続して紙に移されます。止めてそのまま離すと、紙に付いている部分とベーステープに付いている部分が切れて仕上がりとなります。
   ヘッド先のほんの少し前で修正膜が切れているので、そのままで次も修正転写できるわけです。
   修正膜がヘッド先の少し手前で切れているためと、力を入れてからテープが送られるまでに少し滑るので、0.5mmほどの転写できない部分がでます。その分だけ先の方に先端を当てて引くと、ぴったりと修正できます。
   紙に当てて引くとテープが転写されながら引っ張られるので、テープリールが回ります。
   するとその回転力が歯車を介して巻き取りリールを回し、たるみそうになる転写済みのテープを巻き取ることができるのです。
   原理は簡単そうですが、難しいのは、テープの残りが多い時はテープリールはゆっくりと、巻き取りリールは早く回転し、テープが少なくなると、逆にテープリールが早く、巻き取りリールがゆっくりと回転することです。そこでテープリールの回転力をゴムリング等を使って滑らせながら伝えるメカニズムがあります。

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